
21世紀の大学生が望む住まいのカタチ

ジャパニーズカルチャーが世界を席巻中です。ファッションやアートはもとより、アニメやマンガ、ゲームといった国内ではともすれば「娯楽」の一言でくくられてしまうものが海外ではむしろ日本の優秀さの象徴として評価されている訳です。そもそも日本には能や落語、お茶、俳句、歌舞伎など想像力を使う文化がお家芸であり、時代が大きく変わってきた今もその本質は変わらないのかもしれません。
そんな世界が評価するジャパニーズカルチャーを専攻する大学が「聖地」秋葉原にある『 デジタルハリウッド大学 』です。そこではファンタジーの世界を文化としてより昇華させようと日夜学生たちが研究に熱意を注いでいます。

そんな彼らは日頃から当然、ゲーム、ドラマ、映画により深く親しんでいるわけで、そんな彼らが望む「住まいのカタチ」とは果たしてどんなものなのか?
コンテストに参加した学生たちは20代が中心で、彼らがこれまでに歩んできた人生は、まさに1980年〜2010年のジャパニーズカルチャーの成長期から成熟期そのもの。この30年間日本のポップカルチャー界は、新しく生まれたものがくっついたり淘汰されたりという細胞分裂を繰り返すように発展してきました。こうして成熟した日本独特の文化は、ファンタジーの宝庫でもあり、海外から見るとまさにワンダーランドと言えるでしょう。
今回のコンテストに出品された作品群の中でも「ファンタジーの世界を現実のカタチにしたい」といった住まいへの願望が浮き彫りになりました。

「水族館をテーマにした部屋で、そのまま海に出られる。夜景もキレイで海が見える部屋にしたい。」
「部屋を全部ピンクにしてお姫様気分を味わえるような雰囲気にしたい。」
「日本家屋というか武家屋敷というか、そういう家に住みたい。」

参加者のコメントにもあったように「自分の好きなものに囲まれている感じが好き。好きな世界に没頭できるのが楽しい」といった気持ちが全面に表れています。
テーマパークになりそうなコンセプトも多く、中でも顕著だったのは、クルージングや潜水艦、水族館をそのまま部屋にしたいといったプラン。
曲線で型どられた室内はブルーを基調とした水族館のような内装で、波の音まで聞こえるという徹底ぶりです。
また入賞した『カスタマイズ部屋』の事例で挙げられた「女子部屋」は、『思いっきりラブリーなモノに囲まれたガーリーな部屋を楽しみたい♪』という女子ならではの提案でした。
従来のカッコいい、スタイリッシュといったインテリアの王道とはかけ離れた、独自の世界観を追求する傾向があり、“大人のためのワンダーランド”がひとつの理想形のようです。
“癒し”を必要とする大学生!

今回、見事に優勝を飾ったのは、室内を森林のように仕立てヒーリングススペースにするという北澤祐馬さんのアイディア。『癒しの空間』というその名の通り、森林を模したリラックスできる部屋を目指しました。
この作品は単に疲れを癒すだけでなく、博物館などで見る人工的に作られた森林のエキゾチックさを取り入れるというファンタジーの要素もあります。
この他エントリーされた作品にも、驚くほど“リラックス”や“癒し”といったキーワードが多く出てきました。
「自然が適度にある場所というのが理想です。」
「休みの日は家でベランダでリラックスします。 本を読んだり、空を見たりするのが好きなので、 ベランダがある部屋がいいですね。」
「土日はまったく家の外に出ないので…。 平日はバイトや仕事で、土日は疲れてしまっているんです」
「開放される感じをメインで出しています。学校に行ったり、 働いていても息苦しさを感じるヒトはいると思うんです。 それで家に帰って、そういうストレスを忘れられるといいですね。」
このように、自分の大好きな世界観や空間をテーマパークのように演出しながらも、一人でゆっくりくつろげる場所、という学生たちの住まいへのこだわりを見て取れます。
単なる疲れを癒すだけの空間でなく、部屋に居ながらにして海や山などのリゾートに行った気分を味わえる上、「大好きなモノに囲まれた自分だけの遊び場=個々のファンタジー世界」の中で過ごすことでより深い充実感が得られるかも!と考えたわけです。いわばそれは“リゾート風癒し系ワンダーランド“といったところでしょうか・・。
そんな部屋が実現できるとしたら、是非見てみたいと興味をそそられますね。



















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