
曳家って何?
みなさん、曳家をご存知ですか?
曳家とは、建物を解体せず、そのままの姿をジャッキで持ち上げ、レールの上に乗てウィンチで曳く工事方法のこと。つまり家屋をそのまま他の土地に移動させる、昔ながらの伝統ある工法です。
この工法は、例えば、「地盤沈下で傾いた家を修正したい」「床下浸水対策で家を上げたい」「道路拡幅計画で家を少し移動しなくてはいけない」といったときに使われますが、中でも歴史的な建造物や貴重な文化財をそのまま保存したいときによく行われます。一昔前は、京都など古民家が建ち並ぶ町では、曳家は決して珍しいことではなかったようです。
今の総理大臣公邸も、1929年に建てられた旧公邸を曳家したもの。アールデコ調の建築様式で、「5・15事件」「2・26事件」といった昭和史の舞台ともなった旧公邸は、建築文化的にも歴史的にも貴重な建物。そこで外観をそのまま残し、内部だけを修復し使用するという目的で曳家が行われました。特に文化財の保存には欠かせない技術といえるでしょう。
環境問題などから、「今あるものを生かして長く暮らせる家」を望む人が増えている昨今、歴史や思い出のつまった家を壊さずに、住宅の寿命を延ばしたり、価値を高めたりすることができる曳家は、伝統的な工法でありながら、現在のリノベーションに繋がっているともいえますね。
写真提供:阿佐ヶ谷神明宮



















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