
和文化を楽しもう
〜家紋付きつづらを衣装ケースに使ってみませんか〜
つづら(葛籠)、をご存知でしょうか? この言葉を聞いて、その姿が思い浮かぶ人も、昔に比べると少なくなっているのかもしれません。昔話の「したきりすずめ」で、お爺さんお婆さんが選ぶ「小さいつづら」と「大きいつづら」と聞けば、イメージがわくでしょうか。
つづらは、桐箪笥などができる江戸時代よりも以前から、着物を収納する家具として使われてきました。日常ではほとんど和服を着なくなった今は、つづらの用途も少なくなり、生産者もぐっと減っています。
そんな中、岩井良一さんは、今もつづらを造りつづけている一人です。昔ながらの土産物屋や工芸品店が軒を連ねる人形町の甘酒横丁。タイムトリップしたような商店街の一角に、店兼工房を構えるのが岩井つづら店です。営業中は開け放されたガラス戸の中に小さな土間が広がり、その奥の8畳ほどの板張りで岩井さんが作業をされています。

さて、このつづら。一体何からできているのでしょうか?竹を編んでつくった蓋付きの箱に、まずは紙を貼り、縁を蚊帳の生地で補強して、柿渋、漆(カシュー)を塗り丈夫にしたもの。箱の内側には、化粧和紙を張って完成です。竹でできているので、通気性にすぐれ、湿気に強いことから、着物を保管するのに重宝されました。岩井商店では、すでに竹で編まれた箱になったものを仕入れ、補強して柿渋と漆を塗る作業を行っています。ひとつひとつを、丁寧に塗り重ねていく作業なので、ひとつ完成させるのにも時間がかかります。
「若い人にも人気があって注文は多いんです。けれど、大きいものだと注文受けてから3か月~半年程かかってしまうかもしれません。」申し訳なさそうに、ご主人は頭を掻いて語ります。
和服を着なくなってしまった私たちの生活でも、つづらは使い勝手がよいものです。見た目もお洒落で、通気性がよいので、「インテリアになる衣装ケース」として使える優れもの。黒とチョコレート色、朱色の3つがあり、サイズは各々9種類。衣装ケースとしてだけでなく、小さめのものは、小物入れや文箱としても使えます。ばらつきがちな雑誌や新聞を収納する入れ物としてや、見せたくないけど頻繁に使うものをさっと収納できる場所として、リビングに置いても素敵です。
つづらの側面と蓋の上には家紋を入れることから、海外の方にも人気が高いのだとか。お店に積まれた完成品には、「リチャード」や「B」の文字など、外国の方の名前も多く見られました。名前や家紋を入れて、お祝いとして贈るケースもあるようです。
味わいのあるインテリア品として、また、お部屋をすっきりさせる自然素材の安全な収納ケースとしてもおすすめです。
取材協力:岩井つづら店
東京都中央区日本橋人形町2-10-1
営業:9~18時(日、祝休)


































